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2025.06.16 ニキビの種類を徹底解説!白・黒・赤・黄ニキビの見分け方と正しい治療法
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「なぜ同じニキビなのに治りにくいものとそうでないものがあるの?」と疑問を感じていませんか?
実は、ニキビには明確な種類があり、それぞれ異なる原因と治療法が存在します。この記事では、ニキビの種類を正しく見分ける方法から、各段階に応じた効果的な対処法まで、皮膚科専門医監修の信頼できる情報をわかりやすく解説します。
あなたのニキビがどの段階にあるのかを正しく理解することで、より効果的なケアができるようになり、ニキビ跡を残さずに美しい肌を取り戻すことが可能です。
ニキビの種類と進行段階を知ろう
ニキビは単一の症状ではなく、皮膚の状態に応じて段階的に進行する疾患です。
ニキビの種類は大きく分けて「炎症のないニキビ」と「炎症を起こしたニキビ」の2つのカテゴリーに分類されます。初期段階では毛穴に皮脂が詰まった状態から始まり、適切な治療を行わないと炎症を伴う重篤な状態へと進行していきます。
ニキビの種類の基本的な分類
ニキビの進行は以下の順序で悪化していきます。
- 白ニキビ(閉鎖面皰):毛穴に皮脂が詰まった初期段階
- 黒ニキビ(開放面皰):皮脂が酸化して黒く変色した状態
- 赤ニキビ(炎症性丘疹):アクネ菌の増殖により炎症が起きた状態
- 黄ニキビ(膿疱):炎症が悪化し膿が溜まった最終段階
日本皮膚科学会のガイドラインでは、片側の顔面における炎症性皮疹の数によって重症度を判定しており、軽症(5個以下)から最重症(51個以上)まで4段階に分類されています(※注1)。
炎症のないニキビ
白ニキビ(閉鎖面皰)の特徴と見分け方
白ニキビは「閉鎖面皰(へいさめんぽう)」とも呼ばれ、ニキビの最初期段階です。
毛穴の出口が角質や皮脂によって塞がれ、内部に皮脂が溜まることで小さく白く盛り上がった状態になります。この段階では炎症は起きていないため、痛みや赤みといった症状はありません。
白ニキビの見分け方- 肌色もしくは白っぽい小さな盛り上がり
- 触るとザラザラした感触
- 痛みやかゆみなどの自覚症状がない
- 主におでこや鼻などのTゾーンに多く発生
白ニキビは見た目が目立ちにくいため見逃しがちですが、この段階で適切なケアを行うことで、炎症性ニキビへの進行を防ぐことができます。
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黒ニキビ(開放面皰)の特徴と見分け方
黒ニキビは「開放面皰(かいほうめんぽう)」と呼ばれ、白ニキビが進行した状態です。
毛穴の出口が開き、詰まった皮脂が空気に触れることで酸化し、黒く変色します。メラニン色素の沈着も黒色の原因となります。
黒ニキビの見分け方- 毛穴の中心部分が黒く見える
- シミや小さなホクロのような外観
- 白ニキビ同様、痛みや炎症症状はない
- 鼻の頭や小鼻周りに多く発生
黒ニキビは白ニキビよりも目立つため、つい角栓を押し出したくなりますが、無理な刺激は炎症を引き起こす原因となるため注意が必要です。
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炎症を起こしたニキビ
赤ニキビ(炎症性丘疹)の特徴と見分け方
赤ニキビは「炎症性丘疹(えんしょうせいきゅうしん)」または「紅色丘疹(こうしょくきゅうしん)」と呼ばれ、炎症が起きた状態のニキビです。
毛穴内でアクネ菌が増殖し、免疫反応により炎症が発生します。この段階からニキビ跡が残るリスクが高まります。
赤ニキビの見分け方- 赤く腫れ上がった状態
- 触ると痛みを感じる
- 皮膚が盛り上がり、熱を持つ
- かゆみを伴う場合がある
赤ニキビは炎症を抑える治療が最優先となり、セルフケアだけでは改善が困難な場合が多いため、皮膚科での治療が推奨されます。
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黄ニキビ(膿疱)の特徴と見分け方
黄ニキビは「膿疱(のうほう)」と呼ばれ、ニキビの最終段階とも言える重篤な状態です。
赤ニキビがさらに悪化し、膿をもった状態です。肌表面に黄色や白色の膿が見え、赤く腫れて痛みを伴います。炎症が深部にまで達しているので、炎症が長引くとニキビ跡として残る可能性が非常に高くなります。
黄ニキビの見分け方- 中央部分に黄色または白色の膿が見える
- 周囲が赤く腫れている
- 強い痛みを伴う
- 毛包壁が破れ、炎症が周囲に拡散
黄ニキビは自己治療では改善が難しく、皮膚科での専門的な治療が不可欠です。自分で無理に膿を出そうとすると、感染症のリスクや深刻なニキビ跡の原因となります。
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年齢によるニキビの分類
思春期ニキビの種類と特徴
思春期ニキビは10代に多く見られるニキビで、ホルモンバランスの変化による皮脂分泌の増加が主な原因です。
思春期ニキビの特徴- 発生部位:Tゾーン(おでこ、鼻)中心
- 原因:成長ホルモンによる皮脂分泌の増加
- 期間:第二次性徴期(10代前半〜後半)
- 自然治癒:20代前後で自然に改善することが多い
思春期ニキビは皮脂の過剰分泌が主因のため、適切な洗顔による皮脂コントロールが治療の基本となります。
大人ニキビの種類と特徴
大人ニキビは20代以降に発生するニキビで、複数の要因が複雑に絡み合って発症します。
大人ニキビの特徴- 発生部位:Uゾーン(顎、口周り、フェイスライン)
- 原因:ストレス、睡眠不足、食生活の乱れ、ホルモンバランスの変化
- 期間:長期間持続し、同じ場所に繰り返しできやすい
- 治療:生活習慣の改善と適切なスキンケアが必要
大人ニキビは乾燥肌でも発生し、保湿ケアと生活習慣の見直しが重要な治療要素となります。
ニキビの種類別:緊急度と皮膚科受診の判断ガイド
ニキビの種類を正しく判別したら、次に重要なのは適切な治療タイミングの判断です。日本皮膚科学会のガイドラインに基づいた緊急度の判定により、セルフケアで様子を見るべきか、皮膚科受診が必要かを適切に判断できます。
緊急度別判定基準
ニキビの緊急度は、主に炎症の有無、数、症状の強さにより判定されます。以下の基準を参考に、現在のニキビの状態を客観的に評価してみましょう。
緊急度:低(セルフケア対応可能)- 対象:白ニキビと黒ニキビがぽつぽつ、赤ニキビは少しのみ
- 数:赤ニキビが片側顔面5個以下(軽症)
- 症状:痛み、熱感なし
- 対応:適切なセルフケアで1〜2ヶ月様子見
この段階では、正しい洗顔と保湿、生活習慣の改善によりニキビの改善が期待できます。ただし、1ヶ月経っても改善しない場合や、数が増加する場合は次の段階への移行を検討します。
緊急度:中(早めの皮膚科受診推奨)- 対象:赤ニキビが混在
- 数:赤ニキビが片側顔面6〜20個(中等症)
- 症状:軽い痛みやかゆみ
- 対応:2週間以内の皮膚科受診
この段階では、炎症が始まっているため、早期に適切な医療介入により悪化を防ぐことが重要です。セルフケアと並行して、皮膚科での治療を受けることで、ニキビ跡のリスクを大幅に減らすことができます。
緊急度:高(今すぐ皮膚科受診)- 対象:赤ニキビが多数、また黄ニキビが1個でもある
- 数:片側顔面21個以上の炎症性ニキビ(重症)
- 症状:強い痛み、熱感
- 対応:当日〜翌日の皮膚科受診
この段階では、ニキビ跡形成のリスクが非常に高いため、迅速な専門治療が必要です。自己判断での治療は危険であり、必ず皮膚科専門医による治療を受けましょう。
緊急度:最高(緊急受診)- 対象:顔の半分以上に重篤な炎症
- 症状:発熱を伴う、膿が大量
- 対応:即座の皮膚科受診、場合により救急外来
この段階は感染症の拡大や全身症状を伴う可能性があり、緊急医療の対象となります。自己流の処置等で、感染が拡大し、顔が腫れて発熱を伴うような場合は、必ず医療機関を受診してください。
皮膚科受診時のポイント
皮膚科を受診する際は、事前の準備により診察をより効果的にすることができます。医師が適切な診断と治療計画を立てるために、以下の情報を整理しておきましょう。
受診前に準備すべき情報
診察をスムーズに進めるため、症状の経過や使用中の製品について整理しておくことが大切です。特に、ニキビの発症時期や悪化要因、今までの治療内容などの情報は、医師にとって貴重な診断材料となります。
- 症状の経過:いつから、どの部位に、どのような順序で発生したか
- 使用中のスキンケア:ブランド名、成分、使用期間
- 生活習慣:睡眠、食事、ストレス状況
- 女性の場合:生理周期との関係、使用中のピルやホルモン剤
- 既往歴:アレルギー、他の皮膚疾患の有無
受診時に確認すべき事項
医師との診察では、遠慮せずに疑問点を確認することが重要です。治療期間や日常生活での注意点、薬の副作用などについて、しっかりと理解してから治療を開始しましょう。
確認事項 具体的な質問例 診断内容 どの種類のニキビが主体か 治療計画 治療期間の目安はどの程度か 薬剤情報 副作用や注意点は何か 生活指導 日常生活で気をつけることは 経過観察 次回受診のタイミングは 治療効果の判定時期
ニキビ治療の効果判定には時間がかかることを理解しておくことが重要です。一般的に、外用薬の効果は2〜4週間、内服薬の効果は4〜8週間で現れ始めます。即座の改善を期待せず、継続的な治療を心がけましょう。
ニキビの種類別:絶対に避けるべきNG行為
ニキビケアにおいて、良かれと思って行った行為が実は症状を悪化させてしまうことは珍しくありません。ニキビの種類別に、絶対に避けるべき行為と正しい対処法を理解することで、効果的な改善を図ることができます。
白・黒ニキビでのNG行為
炎症前のニキビに対する最大の間違いは、「物理的に除去すれば治る」という考え方です。確かに毛穴パックや角栓押し出しなどで一時的に改善したように見えますが、これらの行為は長期的に見ると症状を悪化させます。
毛穴パックの問題点は、角栓だけでなく必要な角質層まで剥がしてしまうことです。角質層は肌のバリア機能を担っており、これが破壊されると肌の防御力が低下し、より多くの刺激物質が侵入します。結果として、炎症リスクが高まり、より大きなニキビができやすくなります。
避けるべきこと- 毛穴パック:角質層破壊により毛穴拡大
- コメドプッシャー:不適切な圧力で組織損傷
- 爪での除去:細菌侵入と炎症誘発
- スクラブの乱用:摩擦による刺激で悪化
赤・黄ニキビでのNG行為
炎症性ニキビに対する最も危険な行為は、自己による膿の排出(自分でニキビを潰してしまうこと)です。「膿を出せば早く治る」という誤解により、多くの人がこの危険な行為を行ってしまいます。
炎症性ニキビを無理に潰すと、毛包壁が破壊され、炎症性物質が周囲の健康な組織に拡散します。これにより炎症範囲が拡大し、治癒に時間がかかるだけでなく、深刻なニキビ跡を残すリスクが飛躍的に高まります。
避けるべきこと- 潰す・押し出す:組織破壊による瘢痕形成
- 厚塗りのメイクで隠す:毛穴閉塞による悪化
- 温熱療法:血流増加による炎症拡大
- 自己判断での強い薬の使用:副作用のリスク
よくある間違いと科学的根拠
間違い1:「ニキビは潰した方が早く治る」
この考えは残念ながら間違いです。
自分でニキビを潰してしまうと、炎症が悪化したり、にきび跡のリスクが高まります。皮膚科専門医を受診し、適切な外用薬や内服薬、症状に応じて必要な処置を受けましょう。
間違い2:「オイルクレンジングで角栓が溶ける」
オイルクレンジングが角栓を「溶かす」という表現は誤解を招きます。実際には、オイルが角栓の一部を軟化させることはありますが、完全な除去は困難です。
むしろ、過度なオイルクレンジングは皮脂バランスを乱し、必要な皮脂まで除去してしまいます。これにより肌が乾燥し、反動で皮脂分泌が増加する場合があります。
間違い3:「天然成分なら安全」
天然成分が必ずしも肌に優しいとは限りません。特に炎症を起こしているニキビに対しては、植物由来の成分でもアレルギー反応や刺激を引き起こす可能性があります。
重要なのは成分の由来ではなく、科学的に安全性と有効性が確認された成分を使用することです。
ニキビの種類別:正しい対処法
白・黒ニキビの正しいケア
炎症前のニキビには、穏やかで継続的なケアが最も効果的です。急激な変化を求めず、肌の自然な治癒力をサポートするアプローチが重要です。
基本的なケアとしては、朝晩2回の適切な洗顔を行います。洗顔料は低刺激性のものを選び、必ず泡立てネットで豊富な泡を作ります。洗顔時間は30秒程度に留め、ぬるま湯(32〜35℃)でしっかりとすすぎます。
- 洗顔:1日2回、泡洗顔で30秒
- 保湿:水分重視、軽やかなテクスチャー
- 角質ケア:週1〜2回、低濃度AHA使用
- 紫外線対策:SPF30程度の日焼け止め
赤・黄ニキビの正しいケア
炎症性ニキビには、炎症を抑制することが最優先となります。この段階では、セルフケアよりも専門的な医療が重要ですが、日常生活でも適切な対応を行うことで治療効果を高めることができます。
患部への刺激を最小限に抑え、清潔を保ちながら医師の指示に従った治療を継続します。化粧品の使用は最小限に留め、特に患部への直接的な塗布は避けます。
- 清潔保持:患部を清潔に保つ
- 刺激回避:摩擦、圧迫を避ける
- 冷却:短時間の冷却で炎症抑制
- 医療指示の遵守:処方薬の適切な使用
まとめ:ニキビの種類を理解して適切な治療を
ニキビの種類は進行段階、年齢などによって多様に分類され、それぞれに適した治療法が存在します。
最も重要なのは、ニキビの種類を正しく見分け、早期に適切な治療を開始することです。炎症のない白ニキビや黒ニキビの段階で適切にケアすることで、炎症性ニキビへの進行を防ぎ、ニキビ跡の形成を予防できます。
セルフケアで改善しない場合や炎症性ニキビが発生した場合は、迷わず皮膚科を受診し、医学的根拠に基づいた適切な治療を受けることが、美しい肌を取り戻すための最も確実な方法です。
自分のニキビの状態を理解し、適切な治療とケアを継続することで、ニキビのないキレイな肌を手に入れましょう。
【参考文献】
※注1) 参考:尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023,https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/zasou2023.pdf,定義,2025年6月13日