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2025.11.20 2025.11.25 酒さと赤ら顔の違いとは?症状・見分け方・治療法を皮膚科専門医が徹底解説
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顔の赤みに悩んでいる方の中には、「これは体質的な赤ら顔なのか、それとも酒さという病気なのか」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
実は、酒さと赤ら顔は似ているようで全く異なるものです。
酒さは慢性的な皮膚の炎症疾患であり、赤ら顔は様々な原因で顔が赤くなる状態の総称で、多くの場合は生活習慣の改善やスキンケアの見直しで改善が期待できます。
この記事では、酒さと赤ら顔の違いについて、症状の特徴や治療法を詳しく解説します。
監修医師
天神みきクリニック
院長 河野美己
日本皮膚科学会皮膚科専門医
酒さと赤ら顔の基本的な違いとは

「赤ら顔」と「酒さ」は、どちらも顔が赤くなる症状ですが、その本質は全く異なります。
赤ら顔は顔の赤みの総称であり、酒さはその原因の一つです。
例えば、恥ずかしいときや緊張したときに顔が赤くなるのも赤ら顔の一種です。
また、気温の変化や刺激物の摂取、皮膚の炎症なども赤ら顔を引き起こします。
一方、酒さは慢性的な皮膚の炎症疾患であり、顔の赤みやほてりの他に、ニキビのようなブツブツ(丘疹や膿疱)や毛細血管拡張などを伴います。
この違いを理解することで、適切な対処法を見つける第一歩となります。
酒さと赤ら顔の見分け方
酒さと赤ら顔を見分けるには、いくつかの重要なポイントがあります。
【酒さの特徴】
- 3ヶ月以上続く慢性的なもので、難治性である
- 顔の中心部(鼻・頬・額・あご)に左右対称に赤みが現れる
- 赤みだけでなく、ヒリヒリ感・灼熱感・ニキビのようなブツブツ・毛細血管の拡張を伴う
- 30歳以降に発症することが多く、特に40〜50代の女性に多い
酒さ(しゅさ)は、皮膚の慢性炎症性疾患であり、鼻や頬、額、顎など、顔の中心部に赤みやほてり、ヒリヒリ感、吹き出物などの症状を引き起こします。
30~50歳代で発症する人が多く、特に女性に多い傾向があります。
目立つ部位にできることから、日常生活に支障をきたすケースもあります。
【赤ら顔の特徴】
- 症状は一時的で、原因(緊張・運動・気温変化など)がなくなれば自然に改善する
- 顔全体に比較的均一な赤みが現れ、特定の部位に限定されない
- 赤み以外の症状は少なく、軽いほてり感程度で皮膚の質感は正常
- セルフケアで改善でき、特別な治療が不要な場合が多い
赤ら顔は、皮膚の浅い部分の毛細血管が拡張し、透けて見えることで顔が赤くなっている状態です。
一時的なものと慢性的なものがあり、その原因も多岐にわたります。
緊張したときや運動後の一時的な赤み、寒暖差による赤み、アルコール摂取後の赤みなども赤ら顔に含まれます。
【判断のポイント】
以下のような場合は酒さの可能性が高く、皮膚科の受診をおすすめします。
- 赤みが3ヶ月以上続いている
- ヒリヒリ感やブツブツがある
- セルフケアで改善しない
特に顔面中央部の持続的な赤みと、ひりつきやブツブツを伴う場合は、酒さを疑う重要なサインとなります。
酒さは早期の診断、治療により症状の悪化を防ぐことができます。
酒さのタイプと進行段階

酒さは症状の特徴によって4つのタイプに分類されます。
一般的には第1度から第3度へと段階的に進行していきます。
紅斑毛細血管拡張型(第1度酒さ)
紅斑毛細血管拡張型は、酒さの初期段階です。
- 頬や鼻に持続的な赤みが現れる
- 毛細血管が拡張し、赤い糸状の血管が見える
- ほてり感やヒリヒリ感を伴う
- 急激な寒暖差やアルコールで症状が悪化しやすい
顔の中心部、特に頬や鼻に赤みが生じ、ヒリヒリ感が出始めます。
このタイプの酒さは、急激な寒暖差やアルコールなどの刺激で症状が悪化しやすいという特徴があります。
ほてりやヒリヒリ感を伴うことがあり、顔が赤くなったり元に戻ったりを繰り返すこともあります。
丘疹膿疱型(第2度酒さ)
炎症がさらに強くなると、小さな吹き出物ができるようになります。
- 赤いブツブツ(丘疹)ができる
- 膿を持った吹き出物(膿疱)が出現する
- ニキビに似ているが、毛穴の詰まり(面皰)は見られない
- 皮脂の分泌が増えて症状が顔全体に拡がることがある
赤みや毛細血管拡張に加えて、ニキビのような赤いブツブツ(丘疹)や、膿を持ったブツブツ(膿疱)が生じるのが特徴です。
また、皮脂の分泌が増えて症状が顔全体に拡がっていく場合があります。
腫瘤型(第3度酒さ:鼻瘤)
さらに進行すると、鼻の周囲の皮膚が厚くなって、いわゆる「酒さ鼻」または「鼻瘤(びりゅう)」と呼ばれるコブのような塊ができるようになります。
- 鼻の周囲の皮膚が厚くなる
- コブのような塊ができる
- コブの周囲の皮膚が赤紫色に変色する
- 毛穴が開いて「ミカンの皮」のように目立つ
コブのような塊の周囲の皮膚は赤紫色に変色しやすく、「ミカンの皮」のように毛穴が開いて目立ちやすくなるのも特徴です。
皮脂分泌も活発になり、毛穴が広がる原因にもなります。
眼型
眼の周りに症状が現れる珍しいタイプの酒さです。
- 眼の充血や違和感が生じる
- かゆみや乾燥感を感じる
- 結膜炎やドライアイを合併することがある
- 顔面の酒さ症状を伴うことが多く、眼型のみが生じるケースは稀
眼型の酒さは、眼の周囲の炎症が瞼やまつ毛周囲にも拡がって、結膜炎やドライアイなど、眼のトラブルを引き起こします。
眼型の酒さの多くは顔面の酒さ症状を伴いますが、眼型の酒さのみが生じるケースは多くありません。
眼の症状がある場合は、皮膚科とともに眼科への受診も必要となることがあります。
酒さと赤ら顔の治療法

酒さと赤ら顔では、治療アプローチが大きく異なります。
酒さは皮膚科での専門的な治療が必要ですが、赤ら顔の多くは原因に応じた適切なケアで改善が期待できます。
酒さの治療法
酒さは慢性疾患であり、難治性で、再燃しやすい傾向がありますが適切な治療により症状をコントロールすることができます。
- 外用療法
- 内服療法
- レーザー治療
- 光治療(IPL)
治療は症状のタイプと重症度に応じて、外用薬、内服薬、レーザー治療などを組み合わせて行います。
一般的な外用薬(メトロニダゾール)や内服薬(抗生物質)には健康保険が適用されます。
ただし、イベルメクチン、アゼライン酸、イソトレチノインなどの治療薬や、一部のレーザー治療などの美容的な治療は、保険適用外となります。
治療前に医療機関に確認することをおすすめします。
赤ら顔の治療法
赤ら顔は原因を特定して適切に対処することで、症状の改善が期待できます。
- 外用療法
- スキンケアの見直し
- 生活習慣の改善
- レーザー治療
赤ら顔の改善には、日々のセルフケアが大切です。
まずはセルフケア(スキンケアと生活習慣の改善)を2〜3ヶ月試し、改善しない場合は皮膚科を受診しましょう。
酒さと赤ら顔のスキンケア・予防法

酒さと赤ら顔の症状をコントロールするには、適切なスキンケアと生活習慣の改善が重要です。
酒さに適したスキンケア方法
酒さの方は、敏感肌であることが多く、炎症によって皮膚のバリア機能が低下している可能性があります。
日常のスキンケアが悪化因子になっていることもありますので、低刺激のスキンケアを使用しましょう。
クレンジング
- オイルフリーのジェルクレンジングがおすすめ
- こすらず優しく落とす
- ダブル洗顔は必要最小限にする
クレンジングは、摩擦を避けるために、拭き取り用のものではなく、洗い流し用を使用しましょう。
オイルフリーのジェルクレンジングがおすすめです。
たっぷりの量を使用し、こすらないように気を付けます。
オイルフリーのジェルタイプなど肌に優しいものを選びましょう。
洗顔
酒さの方は、特に優しい洗顔を心がける必要があります。
- ぬるま湯(32〜34℃程度)で洗う
- 低刺激性の洗顔料をよく泡立てる
- 泡で優しく洗う(絶対にこすらない)
- 洗顔料が残らないようにしっかりすすぐ
- タオルで押さえるように水分を取る
朝晩2回の洗顔を基本とし、過度な洗顔は避けましょう。
摩擦をさけ、たっぷりの泡で優しく洗いましょう。
また、ピーリング剤やスクラブ洗顔料は皮膚を薄くし、バリア機能を低下させるため避けた方がよいでしょう。
保湿ケア
洗顔後の保湿は、皮膚が乾燥する前に行うことが重要です。
- アルコールや香料が含まれていない低刺激性の化粧品を選ぶ
- ナイアシンアミドやセラミド配合などの保湿効果が高い化粧品を使用
- 適量を優しく塗布する
酒さの方は、アルコールや香料が含まれていない低刺激性の化粧品や、ナイアシンアミド、セラミド配合などの保湿効果が高い化粧品を選びましょう。
保湿剤は、洗顔後すぐに塗布することが重要です。
皮膚が乾燥する前に保湿することで、バリア機能を維持できます。
赤ら顔を予防する生活習慣
生活習慣の見直しは、赤ら顔の予防と改善に重要です。
食生活の工夫
以下の食品は、皮膚の健康を維持し、炎症を抑える効果が期待できます。
- ビタミンB群を含む食品(納豆、卵、豚肉など)
- オメガ3脂肪酸を含む食品(青魚、ナッツなど)
- 抗酸化作用のある食品(緑黄色野菜、果物など)
- 発酵食品(ヨーグルト、味噌など)
一方で、以下のような食べ物は血管を拡張させ、赤みを悪化させる可能性があります。
- 辛い食べ物(唐辛子、わさび、マスタードなど)
- 熱い飲み物(コーヒー、紅茶など)
- アルコール
- カフェイン(過剰摂取)
香辛料やアルコールなどの刺激物の摂取は、悪化の原因になることが多いため注意が必要です。
赤ら顔の予防にはバランスの取れた食事を心がけましょう。
睡眠
良質な睡眠は、皮膚の修復に不可欠です。
- 規則正しい睡眠時間を確保する(7〜8時間)
- 寝具を清潔に保つ
- 寝室の温度・湿度を適切に保つ
室内の温度と湿度を適切に保つことで、皮膚への負担を減らすことができます。
規則正しい生活リズムを心がけましょう。
ストレス管理
ストレスは、赤ら顔を悪化させる重要な要因です。
- 適度な運動(激しすぎない運動)
- リラクゼーション(ヨガ、瞑想など)
- 趣味の時間を持つ
ストレスは自律神経を乱し、血管の拡張を引き起こします。
自分に合ったストレス解消法を見つけ、定期的に実践しましょう。
これらの生活習慣を継続することで、酒さや赤ら顔の症状をコントロールすることができます。
よくある質問と疑問
酒さと赤ら顔について、よくある質問にお答えします。
酒さは完治しますか?
酒さは慢性疾患であり、難治性のことが多いですが、適切な治療と生活習慣の改善により、症状をコントロールすることは可能です。
適切な治療を続けることで、症状が軽い状態を維持することができます。
赤ら顔は自然に治りますか?
一時的な刺激による赤ら顔は、原因を取り除けば改善しますが、酒さのような慢性疾患は自然治癒することは少なく、適切な治療が必要です。
赤ら顔が長期間続く場合(3ヶ月以上)は、皮膚科を受診することをおすすめします。
治療にはどのくらいの期間がかかりますか?
酒さの治療効果が現れるまでには、通常数週間から数ヶ月かかります。
症状の程度により異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
軽症の場合
- 治療期間:3〜6ヶ月
- ブツブツの改善:数週間〜数ヶ月
- 赤みの改善:数ヶ月以上
中等症の場合
- 治療期間:6ヶ月〜1年
- ブツブツの改善:2〜4ヶ月
- 赤みの改善:6ヶ月〜1年以上
重症の場合
- 治療期間:1年以上
- ブツブツの改善:数ヶ月
- 赤みの改善:1年以上
赤い盛り上がり(丘疹)や膿を持ったブツブツ(膿疱)は比較的早くから改善が認められ、一般的には数か月で改善がみられます。
一方、赤みはゆるやかに改善し、症状が落ち着くまで数か月から数年の時間がかかります。
症状が改善しても、再発予防のために治療を続けることが推奨されます。
いつ医療機関を受診すべきですか?
以下のような場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。
受診を検討すべき症状
- 顔の赤みが3ヶ月以上続いている
- 赤みが徐々に悪化している
- ニキビのようなブツブツが出ている
- 灼熱感やヒリヒリ感がある
- セルフケアで改善しない
これらの症状に該当する場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
早期に適切な治療を開始することで、症状の進行を防ぎ、より良い結果が期待できます。
まとめ
酒さと赤ら顔は、どちらも顔が赤くなる症状ですが、その原因、特徴、治療法には違いがあります。
顔の赤みに悩んでいる方は、まず自分の症状がどのタイプに該当するのかを理解することが重要です。
酒さは完治が難しい場合もありますが、適切な治療と生活習慣の改善によって、症状を十分にコントロールすることは可能です。
焦らず、医師と相談しながら、ご自身に合った治療法を見つけることが大切です。
天神みきクリニックの赤ら顔・酒さ治療
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赤ら顔や酒さ(しゅさ)は、正しい診断と適切な治療で改善できる疾患です。
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