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コラム

2025.07.16

ニキビの膿がパンパンに溜まる原因と正しい治療法を皮膚科医が解説

ニキビに悩んでいる女性

鏡を見るたびに気になるニキビ。
特に膿がパンパンに溜まって黄色く腫れ上がったニキビは、痛みも伴い一刻も早く治したいと思うものです。
しかし、自己判断で潰してしまうと、かえって悪化してニキビ跡が残る可能性があります。

本記事では、ニキビに膿が溜まる原因から正しい治療法、予防方法まで、皮膚科専門医の監修のもと詳しく解説します。膿ニキビでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

ニキビに膿が溜まる原因とメカニズム

炎症性ニキビ(赤ニキビ・黄ニキビ)

ニキビに膿が溜まる状態は「黄ニキビ」と呼ばれ、ニキビの進行段階の中でも最も重症な状態です。
皮脂の詰まりから始まり、段階的に悪化していくプロセスを経て、膿が溜まったニキビが形成されます。

ニキビに膿ができる段階的なプロセス

ニキビの種類と進行

ニキビは進行度に応じて、以下のような段階を経て悪化していきます。

ニキビの種類状態症状
白ニキビ毛穴に皮脂や古い角質が詰まっている痛みなし、白っぽい小さな盛り上がり
黒ニキビ毛穴に詰まった汚れが酸化して黒く見える痛みなし、毛穴が黒く目立つ
赤ニキビアクネ菌が増殖して炎症を起こしている赤く腫れて痛みを伴う
黄ニキビ炎症が悪化し、患部が化膿している膿が溜まって黄色く見える、強い痛み

最初は毛穴に皮脂や古い角質が詰まった「コメド」の状態から始まります。
この段階では炎症は起きていませんが、皮脂が大好物なアクネ菌が増殖しやすい環境が整っています。

アクネ菌の増殖と炎症の進行

正常な肌とニキビ肌

アクネ菌が増殖すると、炎症を引き起こして「赤ニキビ」となります。
この段階で適切な治療を行えば改善できますが、炎症がさらに悪化すると問題が生じます。

炎症が進行すると、アクネ菌とそれを減らすために集まった白血球やその残骸が膿となってパンパンに溜まった「黄ニキビ」になってしまいます。
黄ニキビの内側では、アクネ菌が作り出すリパーゼという酵素が毛包の壁を壊し、炎症を起こす物質が毛包の外へ出て周りの組織に広がってしまうこともあります。

ニキビの膿を自分で出すことの危険性

ニキビが突然大量発生した女性

膿が溜まったニキビを見ると、つい自分で潰して膿を出したくなるかもしれません。
しかし、自己判断でニキビを潰すことは絶対に避けましょう。

ニキビの膿を潰すことで起こるリスク

自分でニキビを潰すことで生じる主なリスクは以下の通りです。

  • クレーター状のニキビ跡ができる
    化膿したニキビを無理に潰すと、ニキビ周辺の皮膚や細胞まで傷つき、皮膚の内部に深刻なダメージが残ります。
  • 感染症のリスク
    不潔な環境で潰すと、新たな雑菌が傷口に入り込み、さらなる炎症を引き起こす可能性があります。
  • 治癒の遅延
    自己流で膿を取り除こうとしても完全に除去することは難しく、むしろ黄ニキビを悪化させる可能性が高いです。

皮膚科での面皰圧出との違い

皮膚科で行う「面皰圧出」は、専用の器具を使ってニキビの芯や膿を物理的に取り除く治療法です。
清潔な環境で専門の医師が行うため、肌を傷つけることなく安全に膿を取り除くことが可能です。

膿ニキビに効果的な治療法

ニキビ用クリームを塗る女性

膿が溜まったニキビの治療には、炎症を抑える抗炎症作用と細菌の増殖を防ぐ抗菌作用のある医薬品が効果的です。

膿ニキビに対する処方薬

皮膚科で処方される主な薬剤は以下の通りです。

内服薬

薬名特徴
ミノマイシン(ミノサイクリン)テトラサイクリン系の抗生物質。抗菌力が高く、比較的耐性菌が少ない
ファロム(ファロペネム)ペネム系抗菌薬。アクネ菌が増殖するのに必要な細胞壁を合成できなくする
ビブラマイシン(ドキシサイクリン)テトラサイクリン系の抗生物質。優れた抗菌作用と安定した吸収率がある
ルリッド(ロキシスロマイシン)マクロライド系の抗生物質。タンパク質の合成を阻害して、増殖を防ぐ
漢方薬(十味敗毒湯、清上防風湯、荊芥連翹湯、黄連解毒湯)抗炎症作用・抗菌作用・皮脂分泌抑制作用などを有し、ニキビ治療に用いられる
イソトレチノイン(アクネトレント)重症ニキビに効果的なビタミンA誘導体で、皮脂分泌抑制と毛穴の角化異常を改善する強力な内服薬

※内服薬は医師の診断によって処方され、副作用などがあり使用上の注意が必要です。

外用薬

薬名特徴
アクアチムクリーム・ローション(ナジフロキサシン)ニューキノロン系抗生物質で、皮膚表面の細菌が増殖するのを防ぎ、殺菌する効果がある
ダラシンTゲル・ローション(クリンダマイシン)クリンダマイシンを含むリンコマイシン系抗生物質で、炎症を抑える作用がある
ゼビアックスローション・クリームキノロン系の抗菌薬で、アクネ菌などに対して抗菌作用がある
デュアック配合ゲル(クリンダマイシン/過酸化ベンゾイル)過酸化ベンゾイルとクリンダマイシンの合剤。抗菌作用、抗炎症作用、角質剥離作用などの複数の作用を有し、赤や黄ニキビを改善する効果がある
ベピオゲル・ローション(過酸化ベンゾイル)抗菌作用と角質剥離作用があり、毛穴の詰まりを改善する
エピデュオゲル(アダパレン/過酸化ベンゾイル)アダパレンと過酸化ベンゾイルの両方の成分を配合した薬剤で、毛穴詰まりと抗菌作用の両方の効果が期待できる
ディフェリンゲル(アダパレン)毛穴の詰まりを解消し、肌のターンオーバーを正常化する効果がある
イベルメクチンクリーム抗寄生虫作用と抗炎症作用を持ち、特にニキビダニ(デモデックス)の駆除や酒さ(赤ら顔)、炎症性ニキビに効果的
アゼライン酸クリーム抗菌・抗炎症作用と色素沈着の改善効果があり、ニキビと同時にニキビ跡にも有効な比較的マイルドな外用薬

膿ニキビに対する市販薬

市販薬で治療する場合は、抗生物質が配合されているものを選びましょう。

  • クロロマイセチン軟膏
    抗生物質のクロラムフェニコールが細菌の発育や増殖を抑制し、化膿したニキビを治します。
  • キシロA軟膏
    鎮痛作用のあるリドカインが痛みやかゆみを和らげ、殺菌作用を持つセトリミドが化膿したニキビを治します。

皮膚科治療の費用と保険適用

ニキビ治療では、多くの場合保険が適用されます。
面皰圧出や処方薬には保険が適用され、患者様の負担は3割となります。
一回の受診につき1,000円〜3,000円程度が目安です。

膿ニキビを予防する生活習慣

栄養バランスの整った食事

膿が溜まったニキビを予防するためには、日常生活の見直しが重要です。
ニキビの発生には皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖が関わっており、これらは生活習慣と密接に関係しています。
特に食事内容、スキンケア方法、睡眠やストレス管理などの要素が、肌の状態に大きく影響を与えます。

膿ニキビを予防する食事改善

食事とニキビには密接な関係があります。
以下の食べ物を意識的に摂取しましょう。

積極的に摂取したい食品

  • タンパク質:赤身肉、納豆、卵
  • ビタミンB群:豚肉、レバー、マグロ
  • ビタミンC:柑橘類、ブロッコリー、イチゴ
  • 食物繊維:キノコ類、ゴボウ、海藻類
  • 必須脂肪酸:青魚、ナッツ類

控えるべき食品

  • 高脂肪・高糖質の食品
  • インスタント食品
  • ファストフード
  • 過度なアルコール

スキンケアによる膿ニキビの予防

適切なスキンケアは膿ニキビの予防に効果的です。

洗顔のポイント

  • 1日2回、朝と夜に洗顔する
  • 洗顔料はよく泡立てて、きめ細かい泡で優しく洗う
  • ぬるま湯で十分にすすぐ
  • 清潔なタオルで押さえるように水分を取る

保湿ケア

  • 化粧水で十分に保湿する
  • 乳液やクリームで水分を閉じ込める
  • ニキビ部分も保湿を怠らない

生活習慣の改善ポイント

膿ニキビの予防には、以下の生活習慣の改善が効果的です。

  • 十分な睡眠:成長ホルモンの分泌を促進するため、7〜8時間の睡眠を心がける
  • ストレス管理:適度な運動や趣味の時間を作り、ストレスを溜めない
  • 規則正しい生活:食事時間や就寝時間を一定に保つ
  • 紫外線対策:日焼け止めを使用し、肌への刺激を最小限に抑える

まとめ:ニキビの膿は適切な治療で改善できる

ニキビに膿が溜まる状態は、アクネ菌の増殖と炎症の進行によって引き起こされる重症なニキビです。
自己判断で潰すことは絶対に避け、皮膚科での適切な治療を受けることが重要です。

処方薬による治療は保険が適用され、比較的安価で効果的な治療が可能です。
また、日常生活では食事の改善、適切なスキンケア、生活習慣の見直しによって予防することができます。

膿が溜まったニキビでお悩みの方は、早めに皮膚科を受診し、専門医による適切な治療を受けることをお勧めします。
正しい治療と予防により、健やかな肌を取り戻すことが可能です。

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