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2025.07.04

アゼライン酸でニキビを根本から改善!効果・使い方・注意点を皮膚科専門医が解説

ニキビクリームでケアする女性

ニキビに悩む多くの方にとって、従来の治療薬では刺激が強すぎる、妊娠中で使える薬が限られている、といった課題があります。
そんな中で注目を集めているのが「アゼライン酸」です。
アゼライン酸は多くの国でニキビ治療薬として承認されている成分で、日本でも近年その効果が認められ、多くの皮膚科で処方されるようになりました。

本記事では、アゼライン酸のニキビへの効果から正しい使い方、購入方法まで、皮膚科専門医監修のもと詳しく解説していきます。
ニキビでお悩みの方はもちろん、敏感肌や妊娠中の方も安心して使える治療選択肢として、ぜひ参考にしてください。

アゼライン酸とは?ニキビ治療の新たな選択肢

アゼライン酸の原料

アゼライン酸は小麦やライ麦、大麦などの穀物に含まれる天然由来の成分(飽和ジカルボン酸)です。
私たちが日常的に摂取している食品に含まれているため、肌への刺激が少なく、安全性が高いことが大きな特徴となっています。

アゼライン酸の開発の歴史

アゼライン酸は約40年前に美白剤として開発が始まりました。
その臨床試験中にニキビへの効果が発見され、現在では欧米を中心とした多くの国でニキビ治療薬として承認・使用されています。
特にヨーロッパ、アメリカ、アジアなど多くの国で30年以上にわたって皮膚科で使用され続けており、その実績と安全性が証明されています。

日本では医薬品としての承認は受けていませんが、化粧品成分として使用が認められており、近年大手製薬会社からも高濃度製剤が販売されるようになっています。

アゼライン酸がニキビに効く理由

アゼライン酸がニキビに効果的な理由は、5つの作用が組み合わさって働くためです。

1. 毛穴詰まりの解消(角化正常化作用)
ニキビの原因となる毛穴の詰まり(コメド)を取り除き、古い角質が蓄積するのを防ぎます。

2. アクネ菌への抗菌作用
詰まった毛穴で増殖するアクネ菌の増殖を効果的に抑制し、ニキビの悪化を予防します。

3. 皮脂分泌を抑制
過剰な皮脂分泌の原因となる男性ホルモンを活性化させる酵素を不活化し、皮脂の過剰分泌を抑制します。

4. 抗炎症作用
活性酸素を除去することで炎症を抑え、赤ニキビの症状を改善します。

5. 美白作用
チロシナーゼ活性阻害作用により、ニキビ跡の色素沈着を防ぎ、美白効果も期待できます。

アゼライン酸のニキビへの効果と適応症状

ニキビの種類と進行

白ニキビ・黒ニキビへの効果

アゼライン酸は毛穴の詰まりを解消する作用があるため、白ニキビ黒ニキビなどの非炎症性ニキビに特に効果的です。
角質の過剰増殖を抑え、毛穴の出口付近の角化を正常化することで、新たなコメドの形成を予防します。

赤ニキビ・黄ニキビへの効果

炎症を起こした赤ニキビや膿を持った黄ニキビに対しても、アゼライン酸の抗炎症作用と抗菌作用が働きます。
アクネ菌の増殖を抑制しながら炎症を鎮めることで、ニキビの悪化を防ぎ、治癒を促進します。

ニキビ跡の色素沈着への効果

アゼライン酸には美白効果があり、ニキビが治った後の茶色い色素沈着にも効果を発揮します。
チロシナーゼ活性阻害作用によりメラニンの産生を抑制する働きがあるため、ニキビ治療と色素沈着の予防・改善を同時に行うことができます。

効果が期待できる症状まとめ

  • 白ニキビ・黒ニキビ(非炎症性ニキビ)
  • 赤ニキビ・黄ニキビ(炎症性ニキビ)
  • ニキビ跡の色素沈着
  • 毛穴の開きや黒ずみ
  • 皮脂による肌のテカリ

アゼライン酸の正しい使い方とスキンケアルーチン

ニキビクリームを塗る女性

基本的な使用方法

アゼライン酸は朝晩1日2回の使用が推奨されています。
正しいスキンケアの順番で使用することで、より効果的にニキビケアを行うことができます。

STEP1: 洗顔

まず、たっぷりの泡で肌をこすらずに優しく洗顔します。
メイクをしている場合は、クレンジングでしっかりとメイクを落としてから洗顔を行いましょう。

STEP2: 保湿ケア

洗顔後は化粧水と乳液等でしっかりと保湿します。
保湿が不足していると、アゼライン酸の刺激を強く感じる場合があるため、丁寧な保湿ケアが重要です。
ニキビが気になる場合は、ノンコメドジェニックテスト済みの保湿剤を選びましょう。

STEP3: アゼライン酸の塗布

化粧水や乳液が肌に馴染んだ後、アゼライン酸を適量手に取り、気になる部分またはニキビができやすい部分に優しくなじませます。
顔全体に使用することも可能ですが、刺激を感じる場合はポイント使いから始めることをおすすめします。

STEP4: 日焼け止めの使用(朝のみ)

朝の使用後は必ず日焼け止めを塗りましょう。
紫外線はニキビを悪化させるだけでなく、アゼライン酸を使用した肌が紫外線の影響を受けやすくなる場合があります。

アゼライン酸と他の成分との併用

併用推奨成分

  • ナイアシンアミド: 相乗効果により炎症を鎮める効果が高まります
  • ビタミンC: 抗酸化作用と美白効果が期待できます
  • 保湿成分: セラミドやヒアルロン酸などで肌のバリア機能をサポート

併用注意成分

  • レチノール: 併用可能ですが、刺激を避けるため朝晩で使い分けることを推奨
  • AHA・BHA: サリチル酸やグリコール酸との併用は刺激が強くなる可能性があります
  • 高濃度ビタミンC: 20%以上の高濃度製品は避けるか、時間差で使用しましょう

使用上の注意点

避けるべき部位

  • 目の周り(皮膚が薄い部分)
  • 傷やはれもの、湿疹がある部位
  • 粘膜部分

初回使用時の注意
使い始めは少量から開始し、肌の反応を確認しながら徐々に使用量や頻度を増やしていきましょう。
特に敏感肌の方は、まず夜のみの使用から始めることをおすすめします。

アゼライン酸の副作用と効果が出るまでの期間

ニキビを気にする女性

一般的な副作用

アゼライン酸は天然由来成分のため、他のニキビ治療薬と比較して副作用が少ないことが特徴です。
ただし、使い始めに以下のような症状が現れる場合があります。

よくある副作用

  • 一時的なヒリヒリ感やピリピリ感
  • 軽度のかゆみ
  • 使用部位の軽い赤み
  • 軽度の乾燥感

これらの症状は通常1~2週間程度で慣れてくることが多く、継続使用により改善されます。
症状が強い場合は、使用回数を減らす(夜のみや1日おき)ことで対応できます。

効果が出るまでの期間

ニキビ改善の目安

  • 軽度~中等度のニキビ: 2週間程度から効果を認め始める
  • 炎症の改善: 4~8週間で赤みや腫れの減少を実感
  • ニキビの数の減少: 1~2ヶ月継続使用で明確な改善を実感

色素沈着改善の目安

ニキビ跡の色素沈着については、最低1ヶ月、理想的には3ヶ月程度の継続使用が推奨されます。
3ヶ月使用しても改善が見られない場合は、より強力な治療(トレチノインやハイドロキノン)を検討することをおすすめします。

好転反応について

アゼライン酸を使い始めて一時的にニキビが増える「好転反応」が起こる場合があります。
これは肌のターンオーバーが促進され、毛穴の奥の汚れや酸化した皮脂が表面に排出されるためで、肌が良くなる前の一時的な現象です。
通常1~2週間で落ち着きますが、1ヶ月以上続く場合は皮膚科医に相談しましょう。

アゼライン酸がおすすめな人・注意が必要な人

美肌の女性

アゼライン酸がおすすめな人

ニキビでお悩みの方

アゼライン酸は軽度から中等度のニキビに特に効果的です。

  • 軽度から中等度のニキビがある方
  • 繰り返しニキビができやすい方
  • ニキビ跡の色素沈着が気になる方

特に白ニキビや黒ニキビなどの非炎症性ニキビから、赤く腫れた炎症性ニキビまで幅広く対応できるため、ニキビの種類を問わず使用できます。

従来の治療薬が使えない方

多くのニキビ治療薬には使用制限がありますが、アゼライン酸は制限が少ないのが特徴です。

  • 妊娠中・授乳中の方
  • 敏感肌で刺激の強い治療薬が使えない方
  • ディフェリンやベピオなどで副作用が出た方

天然由来成分で催奇形性がないため、妊娠中でも安心して使用できる貴重な治療選択肢となっています。

肌質によるおすすめ

皮脂分泌抑制作用があるため、特に脂性肌の方に適しています。

  • 脂性肌で皮脂分泌が多い方
  • 毛穴の開きや黒ずみが気になる方
  • 肌のテカリが気になる方

皮脂腺の働きを抑制することで、毛穴詰まりの根本的な原因にアプローチできます。

特に推奨される症例

妊娠中・授乳中のニキビ治療

妊娠中はホルモンバランスの変化によりニキビが悪化しやすくなりますが、使用できる治療薬は限られています。
アゼライン酸には催奇形性がなく、妊娠中・授乳中でも安全に使用できます。
保険診療で処方されるディフェリン、ベピオ、デュアック、エピデュオなどが使用できない妊娠中の方にとって、貴重な治療選択肢となります。

敏感肌の方のニキビケア

従来のニキビ治療薬は効果が高い反面、皮膚の乾燥や刺激が強く、敏感肌の方には使いにくい場合がありました。
アゼライン酸は天然由来成分で刺激が少ないため、敏感肌の方でも継続しやすい治療法です。
使い始めに軽いピリピリ感を感じることはありますが、通常1~2週間で慣れてきます。

注意が必要な場合

以下の症状がある場合は使用を控える

アゼライン酸は安全性の高い成分ですが、すべての方に適しているわけではありません。

  • アゼライン酸に対するアレルギーがある方
  • 重度の皮膚炎や湿疹がある方
  • 傷やただれがある部位

特に皮膚のバリア機能が低下している状態では、刺激を感じやすくなる可能性があります。

使用中止を検討すべき症状

使用中に以下のような症状が現れた場合は、使用を中止して皮膚科医に相談しましょう。

  • 2週間以上続く強い刺激感
  • 使用部位の著しい赤みや腫れ
  • 発疹や水疱の出現

通常の副作用は1~2週間で改善しますが、症状が長引く場合は別の原因が考えられます。

アゼライン酸の購入方法と製品選びのポイント

アゼライン酸クリーム

日本国内での購入方法

皮膚科・美容皮膚科での購入

最も安全で確実な方法は、皮膚科や美容皮膚科で購入することです。
医師の診察を受けることで、自分の肌状態に適した濃度や使用方法のアドバイスを受けられます。

【代表的な製品】
DRX AZAクリア(ロート製薬): 20%濃度、15g、約2,000円
※医療機関限定販売のため、医療機関のみで購入できます。

オンライン診療での購入

一部のクリニックではオンライン診療にも対応していますが、診察料や配送料が別途かかるため、直接受診する方が経済的です。

市販品と医療機関での違い

濃度の違い

アゼライン酸は15%以上の濃度でなければ十分な効果が期待できません。
市販品は低濃度のものが多く、医療機関で扱う20%製剤の方がエビデンスが豊富です。

品質と安全性

医療機関で販売される製品は品質管理が徹底されており、不純物の混入リスクが低く安全です。
市販品の中には、アゼライン酸以外の成分が肌荒れの原因となる場合があります。

アゼライン酸の製品比較

  • 医療機関: 15g約2,000円(1ヶ月分)
  • 海外通販: 高濃度製品は1万円以上することも
  • 国内市販品: 低濃度のため効果が限定的

選び方のポイント

濃度を確認
効果を実感するためには15%以上、できれば20%の濃度を選びましょう。

製造元の信頼性
大手製薬会社が製造している製品を選ぶことで、品質と安全性を確保できます。

医師のサポート
初めて使用する場合は、医師の指導のもとで開始することを強く推奨します。

アゼライン酸と他のニキビ治療法との比較

医師

従来のニキビ治療薬との比較

ディフェリン(アダパレン)との比較

  • 効果: アゼライン酸15%以上であればほぼ同等の効果
  • 副作用: アゼライン酸の方が刺激が少ない
  • 妊娠中の使用: ディフェリンは禁忌、アゼライン酸は使用可能

ベピオ(過酸化ベンゾイル)との比較

  • 効果: 軽度ニキビではアゼライン酸がやや劣る場合も
  • 副作用: アゼライン酸は副作用が軽微
  • 安全性: アゼライン酸の方が長期使用に適している

毛穴治療との比較

レチノイド系との比較

毛穴の黒ずみや角栓除去については、トレチノインの方が効果的です。
ただし、アゼライン酸は皮脂分泌抑制作用により毛穴の開きを目立たなくする効果があります。

ケミカルピーリングとの併用

アゼライン酸単独よりも、ケミカルピーリングやダーマペンとの併用でより高い効果が期待できます。

よくある質問と回答

Q1: 他のニキビ薬と併用できますか?

A: 基本的には併用可能ですが、使用方法については医師にご相談ください。特にレチノイド系との併用は慎重に行う必要があります。

Q2: どのくらいで効果を実感できますか?

A: 個人差がありますが、2週間程度から改善の兆候が見られ、2~3ヶ月の継続使用で明確な効果を実感できることが多いです。

Q3: 長期間使用しても大丈夫ですか?

A: アゼライン酸は耐性菌の報告がなく、長期間の使用が可能です。ニキビの再発予防として継続使用することもできます。

Q4: 敏感肌でも使えますか?

A: 天然由来成分で刺激が少ないため、敏感肌の方にも適しています。ただし、最初は少量から始めて肌の反応を確認することをおすすめします。

Q5: 他の美容成分と組み合わせる場合の注意点は?

A: ナイアシンアミドやビタミンCとの併用は推奨されますが、AHA・BHAや高濃度レチノールとの併用は注意が必要です。

まとめ:アゼライン酸でニキビの根本改善を目指そう

アゼライン酸は、多くの国で30年以上の使用実績を持つ、安全性と効果が証明されたニキビ治療成分です。
従来の治療薬と比較して刺激が少なく、妊娠中や授乳中でも安心して使用できることが大きな特徴となっています。

アゼライン酸の主な特徴

  • 5つの作用でニキビを多角的に改善
  • 副作用が少なく長期使用が可能
  • 妊娠中・授乳中でも安全に使用可能
  • ニキビ治療と美白効果を同時に実現
  • 耐性菌の心配がない

効果的な使用のために

  • 医師の指導のもとで適切な濃度を選択
  • 正しいスキンケアルーチンで使用
  • 最低2~3ヶ月の継続使用
  • 他の治療法との併用も検討

ニキビでお悩みの方、特に従来の治療薬で副作用が出た方や妊娠中の方は、ぜひ皮膚科医に相談してアゼライン酸治療を検討してみてください。
適切な使用により、ニキビの根本的な改善と美肌への第一歩を踏み出すことができるでしょう。

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