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コラム

2025.12.10 2025.12.23

軽度の酒さを見逃さないで!初期段階での適切な対処法と悪化を防ぐケア方法

「顔の赤みやほてりが気になる」「鏡を見るたびに頬が赤くなっている気がする」そんな悩みを抱えていませんか?

実は単なる「赤ら顔」ではなく、「酒さ(しゅさ)」という皮膚疾患の初期症状かもしれません。

酒さは、顔に赤みやほてり、ヒリヒリ感などが現れる慢性的な皮膚の病気です。

特に軽度の段階では症状が軽いため見過ごされがちですが、適切なケアをせずに放置すると、症状が進行して治療が難しくなる可能性があります。

本記事では、軽度の酒さの特徴や見分け方、悪化させないためのケア方法、治療の選択肢まで詳しく解説します。

監修医師

院長 河野美巳

天神みきクリニック

院長 河野美己

日本皮膚科学会皮膚科専門医

軽度の酒さとは?その特徴と見分け方

軽度の酒さは、医学的には「酒さ前駆期(1期)」または「紅斑毛細血管拡張型の初期段階」と呼ばれます。

この段階では、顔の中央部分、特に頬や鼻の周辺に一時的な赤みや火照りが現れるのが特徴です。

軽度の酒さの主な症状は以下の通りです。

  • 頬や鼻を中心とした一時的な顔の赤み
  • 顔のほてり感や熱感
  • 皮膚のピリピリ感やチクチクとした刺激感
  • 軽いかゆみ
  • 毛細血管がうっすらと見え始める

この段階では、まだ吹き出物(丘疹)や膿を持った発疹は見られません。

また、赤みも常に現れているわけではなく、特定の環境や状況で一時的に悪化する傾向があります。

一般的な酒さとの違い

酒さは症状の進行度に応じて4つの段階に分類されます。

軽度の酒さと中度以降の酒さでは、症状の現れ方に明確な違いがあります。

酒さの進行段階

段階 名称 主な症状
1期 酒さ前駆期 頬や鼻が一時的に赤くなる。赤くなる時間が徐々に長くなり、皮膚がチクチクする
2期 血管期 赤みや火照りが常態化。皮膚の刺激感、腫れ、かゆみが強くなる。細い毛細血管が鼻や頬に透けて見える
3期 炎症期 赤みに加えて赤い盛り上がり(丘疹)や膿のたまったブツブツ(膿疱)が現れる
4期 進行期 鼻の皮膚が厚くゴツゴツとして、こぶのようなものができる(鼻瘤)

軽度の酒さは主に1期の段階に該当します。

この時期の特徴は、赤みやほてりが「一時的」であることです。

しかし、2期に進むと赤みが常態化し、細かい血管が網目状に透けて見える毛細血管拡張症が明確になります。

誤認しやすい肌トラブルとの違い

軽度の酒さは、他の皮膚疾患と見た目が似ているため、酒さと他の皮膚トラブルの違いを理解しておくことが大切です。

酒さと似ている皮膚疾患との比較

疾患名 主な症状 酒さとの違い
尋常性ざ瘡(ニキビ) 毛穴が詰まり、アクネ菌が増えて炎症を起こす 毛細血管の拡張は起こらない。白ニキビ(面皰)ができる
口囲皮膚炎・眼囲皮膚炎 ステロイド剤や歯磨き粉のフッ素などで起こる皮膚炎 口や目の周りを中心にできる。唇ギリギリの周囲には症状が出ない
接触性皮膚炎 塗り薬や化粧品、金属などの刺激で起こる皮膚炎 原因物質に触れた場所に症状が出る
脂漏性皮膚炎 皮膚の常在菌であるマラセチア菌が原因とされる 頭皮にも炎症が起こる。鼻周辺や額など皮脂が多い場所にできやすい

これらの疾患は、酒さと同様に顔に赤みが現れるため混同されやすいのですが、症状の現れ方や原因が異なります。

特にニキビとの違いは重要です。

酒さにはニキビのような「面皰(めんぽう)」と呼ばれる毛穴の詰まりが見られません。

また、ステロイド外用薬を酒さに使用すると、かえって症状が悪化する「ステロイド酒さ」を引き起こす可能性があります。

このため、自己判断での治療は避け、皮膚科専門医による正確な診断を受けることが重要です。

>>酒さと赤ら顔の違いについて

もし症状が「ニキビ」に近いと感じた場合は、ニキビ治療のページをご覧ください。

軽度の酒さを悪化させないための日常ケア

軽度の酒さは、適切なケアと生活習慣の見直しによって、悪化を防ぐことができます。

刺激を与えない基本的なスキンケア方法

軽度の酒さのケアで最も重要なのは、「清潔」「シンプル」「低刺激」の3原則です。

肌に余計な刺激を与えず、バリア機能を守ることが悪化を防ぐカギとなります。

洗顔の正しい方法

洗顔は酒さケアの基本です。

しかし、間違った洗顔方法は症状を悪化させる原因になります。

適切な洗顔のポイント

  • 30℃程度のぬるま湯を使用する
  • 洗顔料はしっかりと泡立てる
  • もこもこの泡で肌を包み込むように洗う
  • 肌と手の間に泡をすべらせるイメージで優しく洗う
  • ゴシゴシこすらない
  • すすぎは十分に行う
  • タオルで拭く時はポンポンと優しく押し当てる

洗顔の回数は1日2回が基本です。

過度な洗顔は皮膚のバリア機能を損ない、かえって症状を悪化させます。

また、スクラブ入りやピーリング効果のある洗顔料は刺激が強いため避けましょう。

敏感肌用や低刺激と表示されている洗顔料を選ぶことをおすすめします。

保湿ケアの重要性

酒さの肌は乾燥しやすく、バリア機能が低下している状態です。

十分な保湿は、外的刺激から肌を守り、症状の悪化を防ぐために欠かせません。

効果的な保湿のポイント

  • 洗顔後はすぐに保湿する
  • 刺激を感じない保湿力の高い製品を選ぶ
  • こすらずに優しく塗布する
  • 朝晩2回、しっかりと保湿する

セラミドやヒアルロン酸は保湿力が高く、酒さの肌に適しています。

ただし、製品によっては刺激を感じる場合もあるため、新しい製品を使う際はパッチテストを行いましょう。

抗炎症作用のある成分が含まれた保湿剤も効果的ですが、刺激がないことを確認してから使用してください。

紫外線対策の徹底

紫外線は酒さを悪化させる代表的な要因の一つです。

日光に当たることで皮膚の炎症が強まり、赤みやほてりが悪化します。

また、紫外線は肌のターンオーバーを乱し、バリア機能を低下させる原因にもなります。

効果的な紫外線対策

  • 日焼け止めは1年を通して使用する
  • 日常生活ではSPF20~30、PA2+程度
  • 炎天下やレジャーではSPF40~50+、PA3+~4+を選ぶ
  • 日傘、帽子、サングラスを活用する
  • 紫外線の強い時間帯の外出を避ける

日焼け止めを選ぶ際は、低刺激性のものを選びましょう。

また、目からも紫外線を吸収するため、UVカット効果のあるメガネやサングラスの使用もおすすめです。

>>酒さのスキンケア方法について

軽度の酒さと食事・生活習慣の関係

食事は酒さの症状に大きな影響を与えます。

特定の食べ物や飲み物は血管を拡張させたり、体温を上昇させたりして、顔の赤みやほてりを引き起こします。

避けるべき食べ物・飲み物

軽度の酒さを悪化させないためには、以下の食べ物・飲み物をできるだけ避けることが推奨されます。

  • アルコール類
  • 香辛料
  • カフェイン
  • 高カロリーの食べ物

ただし、これらすべてを完全に避ける必要はありません。

完全に断つのが難しい場合でも、量を控えめにする、症状が落ち着いている時だけにするなどの工夫をしましょう。

積極的に摂りたい栄養素

酒さを悪化させる食べ物を避けるだけでなく、症状の改善につながる栄養素を積極的に摂ることも大切です。

  • オメガ3脂肪酸:青魚、えごま油、亜麻仁油など
  • ビタミンB群:レバー、卵、納豆、魚類など
  • ビタミンC:ブロッコリー、パプリカなど
  • ビタミンE:ナッツ類、アボカド、植物油など
  • 亜鉛:牡蠣、牛肉、納豆など

バランスの取れた食事を意識し、特定の食品に偏らないようにしましょう。

タンパク質、ビタミン、ミネラルを適切に摂取することで、肌のバリア機能が維持され、症状の悪化を防ぐことができます。

ストレス管理と睡眠

精神的ストレスは酒さを悪化させる重要な要因の一つです。

ストレスを感じると体内でストレスホルモン(コルチゾール)が分泌され、これが血管を拡張させたり、炎症を引き起こしたりします。

効果的なストレス管理方法

  • 十分な睡眠を確保する(1日7~8時間が理想)
  • リラックスできる時間を意識的に作る
  • 深呼吸や瞑想などのリラクゼーション法を取り入れる
  • 適度な運動を行う(激しすぎない程度)
  • 趣味や好きなことに時間を使う

特に睡眠は肌の再生に欠かせません

睡眠中に成長ホルモンが分泌され、肌のターンオーバーが促進されます。

質の良い睡眠を取るためには、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を避ける、寝室を快適な温度に保つ、規則正しい睡眠リズムを作るなどの工夫が効果的です。

軽度の酒さの治療方法

軽度の酒さであっても、以下のような状況では早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

受診を検討すべきタイミング

  • 赤みやほてりの頻度が増えてきた
  • 症状が常態化してきた
  • 毛細血管がはっきりと見えるようになってきた
  • ブツブツ(丘疹)が出始めた
  • かゆみや刺激感が強くなってきた
  • 生活改善を2~3ヶ月続けても効果が見られない

酒さは他の皮膚疾患と混同されやすく、自己判断では正確な診断が難しい場合があります。

また、酒さと他の疾患が合併しているケースも少なくありません。

早期に専門家の診断を受けることで、適切な治療を開始でき、症状の進行を防ぐことができます。

酒さの治療薬

軽度の段階から適切な治療を開始することで、症状の悪化を防ぐことができます。

外用薬(塗り薬)

メトロニダゾール(ロゼックスゲル)

メトロニダゾール(ロゼックスゲル)は酒さ治療の第一選択薬として世界中で使用されている外用薬です。

活性酸素を抑制し、免疫反応を調整することで、酒さの慢性的な炎症を抑えます。

  • 効果が現れるまでの期間:早い人で2~4週間、通常は8週間程度
  • 使用方法:1日1~2回、患部に薄く塗布
  • 保険適用:あり

イベルメクチン

イベルメクチンは、ニキビダニ(顔ダニ)を減らすとともに、炎症を抑える働きがあります。

特に丘疹・膿疱型の酒さに効果的です。

  • 効果が現れるまでの期間:2週間程度
  • 使用方法:1日1回、患部に塗布
  • 保険適用:なし(自費診療)

アゼライン酸クリーム

アゼライン酸は、皮脂の分泌を抑えつつ赤みも抑え、美白作用もある外用薬です。

軽度から中等度の酒さに効果的です。

  • 効果が現れるまでの期間:2~4週間程度
  • 使用方法:1日1~2回、患部に塗布
  • 保険適用:なし(自費診療)

内服薬

ビブラマイシン(ドキシサイクリン)

ビブラマイシンは抗生物質の一種で、抗炎症作用により酒さの症状を改善します。

特にブツブツ(丘疹・膿疱)に対して効果的です。

  • 効果が現れるまでの期間:2週間~3ヶ月程度
  • 使用方法:通常、1日1~2回服用
  • 保険適用:あり

漢方薬

体質改善を目的として、漢方薬が処方されることもあります。

よく使用されるのは、清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)、桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)などです。

  • 効果が現れるまでの期間:数週間~数ヶ月(個人差が大きい)
  • 注意点:体質に合わせた処方が重要
  • 保険適用:あり

保険治療の場合、3ヶ月程度の治療で概ね望ましい結果が出ることが多いとされています。

軽度のうちならお薬でコントロールできることが多いです。福岡・天神で酒さの保険診療(皮膚科)をご希望の方は、お早めに当院へご相談ください。

>>酒さの薬と治療法について

保険適用外の治療選択肢

保険治療で十分な改善が見られない場合、または早期の改善を希望する場合は、自費診療でのレーザー治療や光治療も選択肢となります。

Vビームレーザー

Vビームは、血管にある赤い色素(ヘモグロビン)に反応するレーザーで、異常に拡張した毛細血管を破壊し、赤みを改善します。

  • 適応症状:毛細血管拡張症を伴う酒さ
  • 治療回数:軽度なら2~3回、中等度以上では5回以上
  • 費用:1回あたり1~3万円程度(自費診療)

IPL(フォトフェイシャル)

IPL(Intense Pulsed Light)は、複数の波長の光を照射することで、赤みや血管拡張を改善します。

Vビームよりも痛みが少なく、ダウンタイムが短いのが特徴です。

  • 適応症状:軽度~中等度の酒さの赤み
  • 治療回数:5~6回程度
  • 費用:1回あたり1~3万円程度(自費診療)

ポテンツァ

ポテンツァは、超極細の針(マイクロニードル)で皮膚に微細な穴を開け、針先からラジオ波を照射しながら薬剤を注入する施術です。

赤ら顔の原因となる新しい血管の生成を抑え、赤みを目立たなくします。

  • 適応症状:酒さによる赤ら顔
  • 治療回数:3~5回程度
  • 費用:1回あたり3~5万円程度(自費診療)

これらの治療は、保険治療と併用することでより高い効果が期待できます。

治療方法の選択は医師と相談しながら行いましょう。

治療期間の目安

酒さの治療期間は、症状の程度や治療方法によって異なります。

症状別の治療期間の目安

症状の程度 治療期間の目安
軽症(1期) 3~6ヶ月
中等症(2期) 6ヶ月~1年
重症(3期以降) 1年以上

軽度の段階から治療を開始すれば、症状のコントロールがしやすく、治療期間も短くて済む傾向があります。

症状が落ち着いても、悪化要因を避ける生活習慣は継続することが重要です。

酒さは慢性的な疾患であり、症状が落ち着いたり悪化したりを繰り返す特徴があるため、長期的な管理が必要になります。

酒さに関するよくある質問

最後に酒さに関するよくある質問にお答えします。

酒さは完治しますか?

酒さは慢性的な疾患であり、完全に「完治」するのは難しいとされています。

しかし、適切な治療と生活習慣の管理により、症状をコントロールし、ほとんど目立たない状態まで改善することは可能です。

症状が落ち着いた後も、悪化要因を避ける生活を継続することで、良好な状態を維持できます。

酒さは遺伝しますか?

酒さには遺伝的要因が関与していると考えられていますが、必ずしも親から子に遺伝するわけではありません。

家族に酒さの人がいる場合、発症リスクは高まる可能性がありますが、生活習慣や環境要因も大きく影響します。

酒さは季節によって症状が変わりますか?

季節によって症状が変動することがあります。

特に冬場は、室内外の温度差が大きくなるため症状が悪化しやすい傾向があります。

また、夏場は紫外線の影響で症状が出やすくなります。

季節に応じたケアを心がけることが大切です。

まとめ:軽度の酒さは早期対応がカギ

軽度の酒さは、適切なケアと生活習慣の見直しによって、悪化を防ぐことができます。

酒さは慢性的な疾患ですが、決して治らない病気ではありません。

軽度の段階から適切な対処を始めれば、症状をコントロールし、健やかな肌を保つことができます。

「ただの赤ら顔」と見過ごさず、早めに対策を始めることが何より大切です。

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監修医師

院長 河野美巳

天神みきクリニック

院長 河野美己

日本皮膚科学会皮膚科専門医

長崎大学医学部卒業後、九州大学皮膚科入局。2024年天神みきクリニック開設。
専門は、一般皮膚科、にきび・酒さ治療、抗加齢、美容皮膚科。
日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会ほか所属。

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